福島県いわき市-活動報告ー


【12月30日(月):福島県いわき市】

 

活動最終日は、いわき市に残る唯一の避難所となった内郷コミュニティセンターでの最終確認とご挨拶。

参加してくださった、災害医療の世界では知る人ぞ知る古屋医師が内郷の方々にと差し入れてくださった山梨県の干し柿(枯露柿)は、避難者の方々に大人気でした。

入り口にはダンボールで作られた門松。

新しい年を避難所で迎える方、1階の床板のはがれた自宅の2階で迎える方、仮設住宅で迎える方、このような方々のことを知り心をいためている方、全ての方々にとって、来る年にはどうか良いことがたくさんたくさんありますように。

 

令和元年台風19号を受けた災プロの支援はこれにて終了します。

今回の活動を応援してくださった日本各地の皆さまにあらためて深く御礼申し上げるとともに、

突然の災害により日常を奪われ、今も不自由な生活を強いられている方々のことを、忘れないようにしたいと思います。

 

[内郷コミュニティセンター]

 

〈参加者〉

古屋医師(山梨県:医師)

小原先生(東京都:医師)

小池先生(神奈川県)

嶺先生(神奈川県)

三輪先生(東京都)

 

〈詳細〉

次回の訪問ができない活動の最終日は、具体的な課題を見つけ出すことよりも、これまでを振り返り、避難者の方々へより良い支援を行うためにはどうすればよかったかをあらためて振り返りました。

古屋医師より「その方がもともと(災害以前から)受けていた地域のケアのキーマンを聞き出し、しっかりつなげること」などなど、多くのアドバイスを頂きました。

ただ鍼灸やマッサージを提供し、その方の体調を保健師さんへ報告するだけではない役割が求めらた時にどれだけ動けるのか、あらためて考えました。

災プロとしての組織的ないわき市支援は終了しますが、一度関わった私たちは、今後も各個人で、できることを粛々と行って参りたいと思います。


【12月29日(日):福島県いわき市】

 

年の瀬も押し迫りましたが、いわき市での治療活動の最終日。

「良いお年を。って、言えないんだよねぇ。何にもないから、年末の忙しさもない」と受療者の言葉。

治療後、被災した住まいまでご案内いただき、2軒を拝見させて頂きました。

最後にして、在宅避難者の生活の実際の様子がわかり、新しい年にはどうか安心した暮らしが戻りますようにと祈りました。

別れ際、「良いお年を」という年末の当たり前の挨拶を飲みこんで、「次は遊びに来ますから、どうぞお元気で。またお会いしましょう」とお声掛けしてその場を後にしました。

 

[高萩公民館]

15:30~17:00

 

〈参加者〉

小原先生(東京都:医師)

小池先生(神奈川県)

前之園先生(千葉県)

嶺先生(神奈川県)

三輪先生(東京都)

 

〈受療者〉

3名

 

〈詳細〉

先週治療した94歳の方は東京へ遊びに行ったとのことで不在。元気な様子に安心しました。

活動後はそれぞれのご自宅へおじゃまさせて頂き、大変な様子を直接拝見することができました。

「保険屋さんとの折衝がまだ続いているので水の来たラインの掃除もできない」など具体的なお話しも伺えました。

避難所を出てもこれからが大変、というところでの撤収は後ろ髪をひかれる思いですが、

いわきの地で大変な思いをされている方がいらっしゃることを忘れず、

少しずつでも復興へ進まれていくことをずっとお祈りしています。


【12月23日(月):福島県いわき市】

 

この日の活動場所である高萩公民館は既に避難所としては閉鎖されていますが、周囲の被災住宅の2階で在宅避難を続ける方々の希望を受けて活動を継続しております。

「避難所」を出ても「仮設住宅」や「公営住宅」等とはことなる「変わり果てた自宅」での生活がはじまって3週間あまり。お疲れの様子が見え隠れします。

 

[高萩公民館]

14:30~16:00

 

〈参加者〉

吉元さん(福島県:調整員)

小池先生(神奈川県)

三輪先生(東京都)

 

〈受療者〉

4名

 

〈詳細〉

これまで笑顔の印象的だった94歳の方、被災宅での生活を「ゴミの中にいるようで頭がせいせいしない」と仰り、お顔を曇らせていました。

他の方では、血圧が高いのに自炊が難しいために塩分のコントロールが難しい様子も見られるなど、避難所を出ても“被災”は続いている状況が垣間見えました。

それでも、地域の保健師さんがきちんと訪問をしてくださっている様子も伺え安心すると共に、わずかでもお力になれればと改めて思いました。


【12月22日(日):福島県いわき市】

 

内郷コミュニティセンターでの最後の治療活動となるこの日は、職員も1名、受療してくださいました。

日常業務に加えての災害対応業務は、避難所を運営する行政職員にとっても負担の大きいもの。

また職員の中には自宅が被災している方がいらっしゃることもあります。

「避難者が優先」と遠慮してくださるものの、空きがあればこうして区別なく受けてくださり、元気に避難者のためのお仕事を行って頂ければと思います。

立場に関係なく「被災地」がちょっとでも元気になることが、私たち外部支援者がおじゃまさせて頂く一番の目的です。

 

[内郷コミュニティセンター]

17:00~19:00

 

〈参加者〉

日吉先生(福島県)

吉元さん(福島県:調整員)

柏原先生(福島県)

村上さん(茨城県:調整員)

小原先生(東京都:医師)

藤田先生(茨城県)

伊藤先生(神奈川県)

小池先生(神奈川県)

三輪先生(東京都)

 

〈受療者〉

13名

 

〈詳細〉

かねてより入院による体調管理を勧めていた避難者の方が「入院することになったよ」と挨拶にいらしてくださいました。

小原医師はまた別のちょっと心配な方を見つけ出し、ご本人とご家族へ翌日の病院受診をお勧め。

「痛みを除く」「気持ちが良い」だけでなく、「いのちを守る」「今後もずっと元気に過ごしてもらう」ことができたらと思っています。

茨城県からの藤田先生は、2011年以降災プロの全ての活動に参加されていますが、いわき市はこの日が初参加。気負いもなく淡々と施術してくださいました。

いわき市在住の日吉先生は、内郷コミセンでの活動全てにご参加くださいました。ご自身の治療院もご家族もおありの中、長期にわたる支援は地元とは言えなかなかできることではありません。


【12月21日(土):福島県いわき市】

 

この日が好間公民館避難所での最終活動となりました。

災プロの活動開始当初は60名を超えていた避難者も、この日は10名程度。

夕食時に伺いましたが、館内はロビーのテレビの声が響き渡るくらいに静かです。

この報告をアップした12月26日現在、好間公民館避難所は閉鎖されております。公営住宅へ移られた方、内郷コミセン避難所へ移られた方、新たな生活が始まっていらっしゃいます。

 

[好間公民館]

17:00~19:15

 

〈参加者〉

日吉先生(福島県)

村上さん(茨城県:調整員)

浅倉先生(東京都)

 

〈受療者〉

5名

 

 〈詳細〉

公民館での活動開始から毎週受療頂いている母娘。

初診時は表情が硬かったお母様にも笑顔がみられました。

他の避難者より紹介されて最終日の本日が初診となる男性が受療してくださいました。

「眠れている・食欲はある」と仰るも、身体には疲れが見られました。

公営住宅に移られる方から「1階は(水が来たので)こわいからイヤだ」と災害時の体験が重なるお話しも。新しい住まいへと前進しているように見えますが、家財を失うことだけでなく、災害に巻き込まれた恐怖の体験は簡単にはぬぐえません。


【12月16日(月):福島県いわき市】

 
周辺の在宅避難者がいらっしゃる高萩公民館での活動は、いつもの方がいつものように待っていてくださる安心感があります。
私たちもその安心感をお返しできていればいいな、といつも思います。
帰り際、来週の告知広告を貼らせていただくと、あっという間に予約で埋まっていました。
楽しみに待っていただく方のおかげもあって、我々の活動は続きます。

 

[高萩公民館]
15:30~17:00

 

〈参加者〉
小池先生(神奈川県)
前之園先生(千葉県)

 

〈受療者〉
4名


〈詳細〉
発災前は、一階と二階で別れて生活していたご家族。
現在は、二階で一緒に暮らしておられ、お互いに気を遣う生活。
実際にお聞きしないと、気づけないことがたくさんあります。
継続して施術することで訴える症状は少なくなっていきますが、継続してきたからこそ、出てくる本音は増えてきます。
丁寧に耳を傾けながら、施術して参りたいと思います。


【12月15日(日):福島県いわき市】

 
この日の午前中はいわき市の保健師さんへ、災プロがこれまでの施術の中で得た各避難者の情報の引継ぎを行いました。
ただ鍼灸マッサージを行うだけではなく、お預かりした患者様を「地元へお返しする」ことを、最後まで丁寧に行って参ります。

夕方からの内郷コミュニティセンター避難所での活動では、館内の人口が一日を通じて少なくなった感じがしました。
荷物はまだ残っているものの、新しい住まいへ引っ越し準備に出かけている方などもいらっしゃる様子です。

 

[内郷コミュニティセンター]
17:00~19:30

 

〈参加者〉
日吉先生(福島県)
吉元さん(福島県)
橋本先生(福島県)
橋本くん(福島県:手品師)
小池先生(神奈川県)
前之園先生(千葉県)

 

〈受療者〉
7名


〈詳細〉
毎回受療してくださった方の中にも、「引越し決まったから、今日が最後」という嬉しい報告をしてくださる方が。
喜びつつも寂しいような感覚が混じるのは、苦難の中でもがんばるお姿に、こちらの方が力を頂いていたところがあるからでしょうか。
参加者の橋本先生のお子様も活動のお手伝い。

得意の手品を次々と披露し、避難者の方々の人気者になっていました。
施術スペースには多くの方々がお話をしに来てくださり、終始笑顔の絶えない活動となりました。


【12月14日(土):福島県いわき市】

 
珍しく風が穏やかで暖かな冬の日。

いわき駅に到着すると、クリスマス用のイルミネーションの点灯式があるようで、駅前の広場では中高生がハンドベルで演奏を行っていました。
当初は60名以上の避難者の方々がいらした好間公民館も、15名に。
活動も終了へ向かいますが、様々な事情から新しい住まいに移ることが遅れている方へ、わずかですが私たちの手を届けます。

 

[好間公民館]
17:00~19:00

 

〈参加者〉
日吉先生(福島県)
小池先生(神奈川県)

 

〈受療者〉
3名


 〈詳細〉
駐車場には数台しか車が停まっておらず、1週間前と比べるとがらんとした印象。
避難所内では、人が出て閉鎖したお部屋もあり、使用しているお部屋もかなり人が減っており、「残っていらっしゃる方々は15名となりました」と職員の方のお話しでした。
毎回親子で受診してくださる方も、「借り上げ住宅に必要な家財道具が来週には揃い、避難所を出て行く予定」と仰っていました。
日中は太陽のお蔭で暖かでも、陽が落ちると底冷えのする寒さ。

咽の痛みや咳などを訴える方もいらっしゃいました。


【12月9日(月):福島県いわき市】

 

この日は朝から、代表の三輪とスタッフ1名が災害対策本部で協議。
12月末の活動終了へ向けて、行政職員とお話をしました。
通常業務に加えての避難所運営業務も間もなく2か月、市職員の方々もまた疲労が気になります。
他のメンバーは昨日の続きの避難所環境整備へ。

子どもたちのための「机」が完成しました。
夜は高萩公民館避難所へ。

「毎週、鍼をしてもらうから、痛みがとれて片付けが進む」といううれしい言葉も。

 

[内郷コミュニティセンター]
9:10~11:40

 

〈参加者〉
佐々木先生(東京都)
佐々木さん(東京都:調整員)

 

〈詳細〉
ご夫妻での環境調整活動。

ダンボールで机作り、体育館の掃除、「洗濯機使用中」のような札の作り変え、古くなったダンボールの片付けなどを行いました。
避難所の環境改善に尽力されているピースボートの方々と良い雰囲気の中、例えば机は面取りをしたり、ガムテープの貼り方を変えるなど工夫を重ねました。
以前、災プロの医師が指摘したトイレも、洋式のものが搬入されている現場にも出会いました。
使い慣れない和式のトイレは関節痛のある方や高齢者には使いづらく、トイレを我慢するために水分摂取を控える傾向があり、静脈血栓などの病気につながります。
避難所を元気に出て行けるよう、できることをお手伝いしました。


[災害対策本部]
9:40~10:40

 

〈参加者〉
高田先生(東京都)
三輪先生(東京都)

 

〈詳細〉
市内の医療状況の確認を行い、災プロの撤収にあたり行政へ引き継ぐべきことを確認しました。


[高萩公民館]
15:30~17:00

 

〈参加者〉
佐々木先生(東京都)
高田先生(東京都)
三輪先生(東京都)

 

〈受療者〉
3名


〈詳細〉
「鍼をしてもらうから痛みがとれて片付けが進む」、「待ち遠しい」、「毎週楽しみ」と、生活の質の向上に一役勝っていることが分かるうれしい声。
年月の終了予定をお伝えしたところ、とても残念そうでしたが、「いつまでも頼れないしね!」と心強い言葉もいただきました。
避難所の閉鎖に伴い、被災家屋の2F生活が続く94歳の女性は、階段が大変で、また台所が使えないので、食事は注文のお弁当やカップラーメンが多いとのことでした。

娘さんもがんばって食事を用意されるそうですが、思うようにいかずストレスがたまっているとのお話を伺いました。


【12月8日(日):福島県いわき市】

 

長引く避難所生活、住居環境の整備は医療にもつながります。
この日の日中は、避難所運営をサポートするピースボートさん主導により行われた大掃除と、避難所内でのお引越し(区画整理)のお手伝いをさせていただきました。
これまで私たちの治療を受けてくださった避難者の方からは「鍼灸師さんて、こんなことまでしてくれるんですか!?」と驚き(喜び)の声を。
治療を受けたことのない方からは「知らないボランティアさんたちと作業したのは初めてだったけど、すごく楽しかった」というお声を頂きました。
より衛生的に、またプライバシーが守られる環境になった他、住居スペースの中央には、歓談できるスペースや子どもの遊び場スペースなど、コミュニティが育まれるスペースが設けられました。
避難所を出て“次の生活へ”進むには、こころも体もできる限り健康である方が気力も湧くもの。
「ただ被災地のために」をスローガンとして掲げる災プロは、鍼灸マッサージにこだわらない支援を行って参ります。

 

[内郷コミュニティセンター]
14:00~15:15

 

〈参加者〉
日吉先生(福島県)
佐々木先生(東京都)
佐々木さん(東京都:調整員)
高田先生(東京都)
嶺先生(東京都)
横山先生(東京都)
三輪先生(東京都)

 

〈詳細〉
カーテンをつける作業や、新しいスペースへの荷物の搬入、掃除、ダンボールの整理など、多岐にわたる作業を行いました。
ピースボートさんの指示を受けつつ、それぞれ自分で仕事を見つけ出し、きびきびと動く鍼灸師たちは、施術をしている時と同じように心強い姿をしていました。

 

[好間公民館]
17:00~19:30

 

〈参加者〉
吉元さん(福島県:調整員)
日吉先生(福島県)
佐々木先生(東京都)

 

〈受療者〉
6名


〈詳細〉
避難者が20名まで減った好間公民館。

その3分の1にあたる6名が受診してくださいました。
「毎週来てくださるのが楽しみです」という声のほか、今日が初診の方もいらっしゃいました。
一方で、「たまの炊き出しを除き、食事は基本的に毎日お弁当のために持病がコントロールできない」という訴えや、「サラダを食べたいが避難所では出ないので時々自分で買って食べている」という声も。
持病があるのに「病院へは行っていないよ」といった心配な声もありました。

 

[内郷コミュニティセンター]
17:00~19:30

 

〈参加者〉

佐々木さん(東京都:調整員)
高田先生(東京都)
三輪先生(東京都)

 

〈詳細〉
お昼過ぎに参加したお引っ越しはまだ終わっておらず、再びお手伝いに。

子どもの遊びスペースやコミュニティスペースの作成を手伝いました。
本日が初参加の佐々木さんは、2013年の南相馬市支援から災プロに参加されている佐々木先生の奥様。

主婦の知恵を活かし、住居環境の整備に大活躍。子ども用スペースのダンボールベンチも、完成度の高いものを作り上げていらっしゃいました。
避難生活を送る子どもたちの笑顔が目に浮かびます。


【12月7日(土):福島県いわき市】


関東同様、寒気の南下の影響で空気の凍てつく今日のいわき。

板張りの体育館やタイル張りのホールでは寒さひとしおだろうと、避難所の状況が気になります。
支援者情報共有会議に毎回出席してくださっている日吉先生によれば、罹災証明書の発行は8割まで進んだと説明があったとのこと。
自宅再建などへ本格的に取り組む時期になりつつある一方、被災して床板を剥がした自宅で生活している方も多くおられる模様。
ストーブの調達や段ボールベッドの使用など、具体的な寒さ対策についても、支援者会議ではテーマになっています。

 

[内郷コミュニティセンター]
17:00~19:30

 

〈参加者〉
日吉先生(福島県)
村上さん(茨城県:調整員)
小原先生(東京都:医師)
高田先生(東京都)
横山先生(東京都)
嶺先生(東京都)
三輪先生(東京都)

 

〈受療者〉
7名

 

〈詳細〉
避難所運営支援に入っているピースボートジャパンが主体となる、避難所の居住スペースの「区画変え」を明日に控え、ピリピリとまでは行かないまでも、ちょっと緊張感が漂う今日の内郷コミュニティーセンター。

受療された方からは「鍼をすると寝られる」、「この前診てもらった後、2~3日楽だった」などの声がよせられています。
中には「1か月経っても仕事も家も決まらない。だから次のステップへ進めない」と話したところで声がつまる方もいらっしゃいました。
継続的に活動をしていると、安心して、持って行き場のない不安や悩みを話してくださる方もおられます。
利害関係の無い外部からの支援者である我々に、苦しい気持ちを吐露することで、少しでも心の重荷を下ろしてもらうことも大事な役割だと感じます。

一方で、運動不足を伝えた方が「どうしたら良い?」と、聞いてくださる場面も。

意欲的に「治そう」という方へのアドバイスも、同様に大切にしています。

避難所の食事はコンビニ弁当とカップ麺。
たまに炊き出し支援もありますが、避難生活が長引くにつれ血圧が上昇あるいは高止まりする方には、ストレスだけでなく、食生活の影響の可能性も否定できません。

寒さ増すこの日でしたが、ダンボールベッドの使用率は6割程度。

「ここに来て腰痛がひどくなっているのは、床が硬いからかも…」と気にする患者さんに使用を推奨しました。

「家の片づけは終わったけど、仕事もないし引っ越し先もないから、やることがない」と話す方もおられましたが、その言葉に、復興や再建に移行する繊細な時期であることを感じます。


【12月2日(月):福島県いわき市】

 
この日は日中活動がなく、夕方からの活動前は、整備や片付け、翌週の準備を行います。
これに加えてこの日は、2つのミーティングを行いました。
これまでも災害支援の経験をお持ちの小原医師と、避難所内の医療体制の改善点とその対応を検討し、災プロとしてどう行動するべきかを明確にしました。
また、地元ボランティアとして熱心に参加してくださっている吉元調整員とは、昨日の活動の反省と改善点を共有しました。
災害は一つとして同じものが無く、災害の種類や土地柄に合わせた細やかな対応を必要とする支援活動において、このような時間を持てることは、活動の質を上げていく上で、非常に大切な時間になっていきます。

毎週通っていた高萩公民館、被災家屋に戻られた地域住民の希望を受けて、避難所閉鎖後の初めての活動となりました。

 

[高萩公民館]
15:30~17:00

 

〈参加者〉
吉元さん(福島県:調整員)
小原先生(東京都:医師)
小池先生(神奈川県)
前之園先生(千葉県)

 

〈受療者〉
4名


〈詳細〉
避難所ではなくなった高萩公民館。それぞれの生活の場から、お集まりくださいました。
公民館の館長さん、地元の保健師さんのご協力があっての活動です。
週末活動の最終日となることもありますが、住民の皆様の私達を迎えてくれる雰囲気が、どこか実家へ帰ってきたような気持ちになります。
いつも通り、おだやかな空気の中での活動となりました。


【12月1日(日):福島県いわき市】

 

休むことなく活動に参加されている地元の日吉先生からご紹介いただいたカレー屋さんで、活動前のランチミーティング。
全国の有志の先生が集まる災プロでは、初対面の先生方がいらっしゃることがしばしば。スムーズな活動のために、参加者同士の交流もできる限り大切にしています。

 

[内郷コミセン]
16:00~18:45

 

〈参加者〉
日吉先生(福島県)
吉元さん(福島県:調整員)
村上さん(福島県:調整員)
小原先生(東京都:医師)
松本先生(東京都)
兼松先生(東京都)
米田先生(千葉県)
横山先生(東京都)
小池先生(神奈川県)
前之園先生(千葉県)


〈受療者〉
16名


〈詳細〉
19:00までの活動予定でしたが、避難所内の大掃除、区画整理の為の説明会が開催される為、
時間をやや短縮しての活動となりました。
受療される方、されない方に関わらず、ブースの周りにご挨拶に来てくださり、皆様の集いの場となっていることを嬉しく思います。
先週に引き続き医師のご参加を頂き、鍼灸は受けないけれども医療対応の必要な方がちらほらと相談に来られました。


[鯨岡公民館]
19:45~21:15

 

〈参加者〉
小原先生(東京都:医師)
小池先生(神奈川県)
前之園先生(千葉県)


〈受療者〉
5名


〈詳細〉
世界の医療団からの声掛けを受け、12月5日で閉所となる自主避難所での、最初で最後の活動。
自主避難所であるが故のご苦労をされてきたことが窺えました。
本当の家族かのように見える5名の仮のご家族。閉所後は、それぞれにバラバラとなることを、非常に寂しがっておられました。
「主訴はない」と言いながらも、実際に施術すると、「こんな所も疲れてたんだね」とご自分の身体の声に気づき、ずっと我慢してこられたことが想像できます。
災プロは手の届かない所への支援を大事にしていますが、帰る間際の「もっと早く来てもらえばよかった」との声に、悔しさが残りました。


【11月30日(土):福島県いわき市】

 
風が強く寒い一日となった土曜日。

少人数でのんびりと避難所での活動を行いました。


[好間中学校]
15:30~17:00

 

〈参加者〉
日吉先生(福島県)
兼松先生(東京都)
小池先生(神奈川県)

 

 〈受療者〉
1名


〈詳細〉
・今週避難所を出られた方が多く、市の発表している避難者数は9名。

がらんとした武道館はいつもより寒さを感じ、人が減ったことを実感しながらの活動となりました。
・片付けなど日中の用事で外出されている方がほとんど、ひとりダンボールベッドで寝ていらした方にお声がけし、のんびりと受療していただきました。
「昔受けていたサウナのマッサージをおもいだした、また行きたいなあ」と仰る姿が印象的でした。

「少しでも災害前の日常をおもいだしていただけて嬉しかった」と、東京都から参加された兼松先生。

 

[好間公民館]
17:30~20:00

 

〈参加者〉
日吉先生(福島県)
兼松先生(東京都)
小池先生(神奈川県)

 

〈受療者〉
6名


〈詳細〉
・はじめましての方でも、からだに触れることからいろいろな会話が広がる、鍼灸マッサージの良さ。弾む声がブースからきこえていました。
・施術を毎週受けていらっしゃる方、「以前よりスムーズに歩くことができるようになった」との声もきかせていただきました。


 

【11月25日(月):福島県いわき市】

 

午後の活動のみとなったこの日は、各種調整業務のほか、2011年の東日本大震災の記憶を残す久之浜まで足を延ばしました。
立教大学から参加の藤村さんは、当時まだ小学生。
防潮堤に植えられた、まだ小さく健気な松たちに、参加者たちは様々な思いを重ねていました。

 

高萩公民館避難所では、今回もゆったりとした時間が流れました。

11月30日に閉鎖されるこちらの避難所、地域の方々より災プロ継続の希望が強く、災プロ活動に合わせて公民館を開放してくださることに。
閉鎖されると言っても、出られた方は被災した1階を避けた2階生活が続くことになり、寒さが厳しくなる季節、健康状態が懸念されることから、撤収予定を延長して支援を行うことを検討しています。

 

活動中、被災者をみて回る巡回の行政保健師さんが顔を出してくださいました。ご自身が自宅も車も被災しているとのお話し。これまでの各被災地でも同様でしたが、災害は、一般市民も行政職員も、地元の方なら関係なく襲います。

 

[高萩公民館]
施術:15:30~17:00

 

〈参加者:4名〉
小原先生(東京都:医師)
日吉先生(福島県)
本山先生(東京都)
三輪先生(東京都)

 

〈受療者〉
5名

 

〈詳細〉
・「罹災証明書が来ないと動けないのに、なかなか来ない」との声。
・通常は治療ベッドごとにきちんと仕切りを作るのが災プロスタイルですが、みなさんお知り合いのこちらでは敢えて仕切り無し。避難者のおじちゃんが、受療中のおばちゃんに「お、白い肌だねぇ。ああ、タオルか。」など冗談を飛ばす場面も。
・保健師さんは鍼灸に興味津々。地元の日吉先生の施術を感心しながらご覧になっていました。受療された方も「鍼は全然痛くないの!受けるたびに、からだはとってもらく!」と一生懸命に説明してくださっていました(写真参照)
・巡回の行政保健師さん、世界の医療団の健康運動実践指導者さん、災プロの医師の3者で情報交換する場面も(写真参照)
・手の空いた代表の三輪は、ちょっと汚れていた男子トイレの掃除を行っていました。


【11月24日(日):福島県いわき市】

 

前日の宮城県大郷町支援には東北大学病院の高山医師が参加してくださいましたが、この日のいわき市支援には、東京から総合内科専門医の小原先生が参加されました。
また、昨日の宮城県活動を終えた広島からの杉原先生とスタッフの松村先生がいわき市に合流。
さらに、先週に続いて東京から本山先生が参加してくださいました。
地元いわき市の高田先生は盲のハンディをものともせず2回目のご参加。

初回を受けて既に高田先生を指名する患者さんもいらっしゃいました。
昨日から参加している、立教大学:アジア寺子屋の大学生である藤村さんは、初参加かつ最年少の19歳とは思えない落ち着きようで避難者の方への声かけや受付業務、高田先生の手伝いまでテキパキとこなしてくださいました。

小原医師は、避難所環境を整備するピースボートのスタッフから相談のあった、鍼灸は受療しないけれど体調がすぐれない方について、避難スペースへ往診に出てチェックしてくださるなどのはたらきも。
医師の理解と協力を得て、私たちの活動も一層充実したものとなりました。

広島の杉原先生は「眠れている」と答える受療者に「この身体で眠れているはずないでしょう」と重ねて問い、「じつは大量の寝酒を飲んでいる」と危険な兆候を見つけ出していました。

 

[内郷コミセン]
17:00~19:30

 

〈参加者〉
小原先生(東京都:医師)
杉原先生(広島県)
橋本先生(福島県)
高田先生(福島県)
日吉先生(福島県)
吉元さん(福島県:調整員)
本山先生(東京都)
藤村さん(神奈川県:調整員)
松村先生(東京都)
三輪先生(東京都)

 

 〈受療者〉
19名(うち1名、医師の診察のみ)

 

〈詳細〉
・施術者より報告―「他人のイビキやストレスで眠れず、睡眠不足から疲労が重なっている印象」
・調整員より報告―「十分に眠れていない方が大多数だった」「住民の方同士で声かけしてた」
・「行きつけの整形外科が被災してしまい、手入れしてもらっていた魚の目が痛んで歩けない」←爪切りで削って対処したところ「久しぶりにまっすぐ歩けた」と喜びの声。
・「移住先がようやく見つかった」という方もいらした。
・170㎝浸水したお家、高齢の自分は避難所にいて無事だったが、息子夫婦は逃げなかったため首まで水につかった。水の中から消防へ電話したところ「通報が多すぎて対処できない。自力で何とか助かってください」。「死んだら親に伝えてくれ」と頼んだが、何とか無事に生き延びられた。
・避難所内のトイレがほぼ和式であることを小原医師が指摘。膝の痛みを訴える方も多い中、トイレをガマン→水分摂取ガマン→高血圧/静脈血栓症の流れを心配。ピースボート、世界の医療団、災害対策本部へこの情報を共有。体調不良者を予防するための、避難所環境整備の一助になれば。
・医師の参加はあったものの、システム上、全ての鍼灸マッサージ受療者が小原先生の診察を受けられたわけではありませんでした。


【2019年11月23日:福島県いわき市】

 

曇り空に小雨がぱらつく今日のいわき市。

気温はそれほど低くならず、少し助かりました。
地元の日吉先生おっしゃるに、「海が近いからか、関東の内陸より暖かいこともある」。

福島は広いですね。

先週に引き続き、本日もNGO「世界の医療団」が災プロの本日の活動場所である好間公民館と好間中学校武道場を訪れ、避難者の方々への傾聴活動と鍼灸マッサージニーズのマッチングをしてくださいました。
現地で出来た支援団体間の連携。

互いの専門性を生かした相互作用が、被災地のためになればと改めて感じます。

福島県鍼灸師会の会員で、好間在住の橋本先生は、「夜泣きの子どもがいる」という情報を気にかけ、好間中学校の活動のサポートに訪れてくださいました。
活動メンバーに組み込まれていなくとも、このフットワーク。

地元の先生ゆえのきめ細かさには頭が下がります。
結果的にお子さんのいる世帯は避難所から移動した後でしたが、地元の先生と被災した方とのご縁が繋げる機会に、災プロの活動がつながればと思うひと時でした。

以下、本日の活動です。

 

[好間公民館]
17:00~19:30

 

〈参加者〉
海野信宏先生(神奈川県)
海野愛子先生(神奈川県:看護師)
日吉先生(福島県)

 

〈受療者〉
7名

 

〈詳細〉
・活動初回から受療してくださる親子の患者さんが今日も来てくださる。一度受療された方は鍼灸マッサージの効果を実感して、毎回の来られることが多い。
・ただ、なかなかお出でいただけない方も多数おられる。鍼灸マッサージを避けてというよりも、ご自分の避難スペースからあまり外に出ない方が多いのかもしれない。
・受領された方の7人中6人が血圧が高い。避難生活となってからのストレスから血圧が上がっていることを、ご自身が自覚されている方が多い。


[好間中学校武道場]
17:00~19:30

 

〈参加者〉
小池奈美先生(東京都)
中野先生(東京都)
藤村さん(調整員 神奈川県)
嶺先生(神奈川県)

 

〈受療者〉
3名

 

〈詳細〉
・ブース設営時から活動終了時まで、避難者の方が少ない。仕事や自宅の片付け、祝日でご親戚を訪ねるということで出かけておられる方が多い様子。
・ここでも毎回受診してくださる患者さん。この後に入居するところは決まっているが、家電類の調達が遅れているとのこと。「何もないところに入っても、寒いからね」と。
・避難所運営にあたる行政の方に伺っても、住居確保は出来ていても什器類が揃わず、入居を見合わせている方が少なくないとのこと。
・水害に遭った家財の代替品を用意するだけでも、大変な物量。住居の確保だけが避難生活を終わらせる要素ではないと、今回も思い知りました。


【11月18日(月)】

 

この日は3か所で活動しました。
いわき市水道局支援はこの日で終了となります。
局長より「管理職として職員の健康に配慮しなければならない立場ではあるが、断水直後は市民のために寝ないで復旧作業に当たる状態を、どうにもできなかった。そのような中、血圧測定のような健康チェックから疲労を除いてくださるような鍼灸マッサージによる支援は、本当にありがたかったです。」と言葉を頂きました。
それでも、休憩室をのぞくと、いまだに寝袋で寝ている(=自宅に帰れない)職員のいらっしゃることが伺えます。
市民の方々のため、本当にお疲れさまです。
高萩公民館避難所へは、靴下を届ける支援も行いました。

 

[いわき市水道局]
11:30~14:00

 

〈参加者〉
佐々木先生(東京都)
本山先生(東京都)
米田先生(千葉県)
小池先生(神奈川県)
村上さん(茨城県)

 

〈受療者〉
18名

 

〈詳細〉
最終日だが、これまでの活動での評判を聞いた方が数名、初診で来られました。
再診の方が多く、以前と比べて体調が回復している様子もわかり、施術者側がホッとする場面も…。


[高萩公民館]
施術:16:00~17:00

 

〈参加者:3名〉
佐々木先生(東京都)
本山先生(東京都)
三輪先生(東京都)

 

〈受療者〉
4名

 

〈詳細〉
東京都の小林真琴さんから託された、あたたかな靴下100足を届けた高萩公民館。

こちらの避難所は、市の発表では6名ほどの登録しかありませんでしたが、周囲には40世帯ほどの自宅避難者(1Fが被害を受け2Fで生活、など)が。
「民生委員さんを通じて被災住民で公平に分けます」とのこと。
施術では、先週に引き続き、94歳の方の受診もありました。


[好間中学校]
施術:16:00~17:00

 

〈参加者:3名〉
日吉先生(福島県)
米田先生(千葉県)
小池先生(神奈川県)

 

〈受療者〉
4名


【2019年11月17日(日)福島県いわき市】

 

この日は夕方のみの活動でした。
2か所に分かれて行いました(もう一か所は、宮城県大郷町)。
内郷コミュニティセンターでは、世界の医療団による声かけや、避難所運営職員による館内放送もあり大盛況になりました。
施術を受けながら、ぽつぽつといろいろな話をしてくださる避難者の方が多くいらっしゃり、ただ体をらくにするだけでない私たちの役割を思いました。
「毎週ちゃんと来てくれるのがうれしい」という声も。

単発ではなく、責任を持つ継続活動ならではです。

前日の大郷町活動の調整を終えて、この日にいわき市入りした代表の三輪は、道中の仙台にて、東日本大震災時にお世話になった名取市の防災士、太田さんに陣中見舞い頂きました。

 

[内郷コミュニティセンター]
17:30~19:30

 

〈参加者〉
橋本先生(福島県)
吉元さん(福島県)
小池先生(神奈川県)
米田先生(千葉県)

 

〈受療者〉
16名

 

〈詳細〉
参加者の声。
「体調や症状の訴えが多く、それ(いろいろと吐き出してくれたこと)が逆にありがたかったです。再診の方もいらして、必要とされているのだな、と実感しました。」との事。

 

[好間公民館]
17:30~19:30

 

〈参加者〉
日吉先生(福島県)
三輪(東京都)

 

〈受療者〉
5名

 

〈詳細〉
「受けるたびに楽になっていく。先生は違うのにね。」「毎週ちゃんと来てくれるのがうれしい。」という声を受けながらの活動。
避難者の方々と信頼関係を築いている「世界の医療団」のスタッフからもお声掛けして下さり、本日初受診の方もいらっしゃいました。


【2019年11月11日】

 

この日より、「世界の医療団」さまからの依頼を受け、いわき市内の小さな避難所[高萩公民館]での活動も開始しました。災プロだけでは把握しきれなかった支援の手薄な地域へと、つないでくださった「ピースボート」さまへも感謝です。

 

[高萩公民館]
15:30~17:30

 

〈参加者〉
日吉先生(福島県)
前之園先生(千葉県)

 

〈受療者〉
3名

 

〈詳細〉
小川地区での活動初日。地区全体で50世帯近くが浸水被災していながら、様々な面で支援の手が届いていない地域。
いまだに自宅の泥かきを自力でしている方も多く、他の地域より数週間遅れているように、個人的には感じました。
一方で、公民館への避難者数は少なく(=2Fでの在宅避難者が多く)、自主避難所のような暖かい雰囲気が心地よい。

当然、衛生環境、自治環境もよいです。
元々のご近所さん同士仲も良く、地域で避難していない方の出入りも多く、公民館の中にいるだけでも、地域みんなで乗り切ろうとされているのを感じた。


[いわき市水道局]
18:00~20:30

 

〈参加者〉
前之園先生(千葉県)


〈受療者〉
8名

 

〈詳細〉
皆さん、生活も主訴もほぼ日常に戻っている印象。
ただ、依然として多忙であることには変わりなく、発災前に通院していた病院へ行けてなかったりと、まだ私達の活動を続けていく意義はありそうだと感じました。


【2019年11月10日】

 

避難所は日中に片付けに出られる方が多いため、我々の活動は基本的に夜に行います。
この日は逆に日中にしか受けられない方もいるかもしれないと、試しにお昼に設定しました。
予想通りのんびり活動となりましたが、手の空いたメンバーは避難所環境改善のためのダンボールベッド作成を手伝ったりと、無駄なく動きます。

またこの日は、初めて全盲の先生が活動にご参加くださいました。
弱視の先生方のご参加は2011年の活動の際もありましたが、全盲の先生の参加は災害支援史上でも、初めてのことかもしれません。
その的確な施術は避難者の方々から非常に喜ばれていました。

どんな方でも、その「役に立ちたいという」気持ちをありがたく生かしながら、災プロの活動は続いて行きます。

 

[好間公民館]
13:00~15:00

 

〈参加者〉
小池先生(神奈川県)
前之園先生(千葉県)

 

〈受療者〉
1名

 

[好間中学校武道館]
13:00~15:00

 

〈参加者〉
柏原先生(福島県)
横山先生(東京都)
君島先生(東京都)

 

〈受療者〉
2名

 

〈詳細〉
両避難所とも徐々に、退所される方、お引越し先が決まり、荷物だけ残っている方と避難者数が減ってきており、特に日中は片付けに出ている方も多く、館内には人が少ない。
この時点で避難所生活を続けている方は、残らざるを得ない方、残ると決めた方、それぞれに事情がおありなのが、お話を伺っているとわかってくる。
公民館では空いた時間を使い、衛生環境改善のために職員さんが行なっていたボールベッド作りのお手伝いをさせていただきました。


[内郷コミュニティセンター]
17:00~19:30

 

〈参加者〉
高田先生(福島県)
三部先生(福島県)
日吉先生(福島県)
横山先生(東京都)
君島先生(東京都)
小池先生(神奈川県)
前之園先生(千葉県)
吉元さん(福島県)

 

〈受療者〉
10名

 

〈詳細〉
避難所内で設営した3床全てで、地元いわき市の先生方が施術されていると、どのブースもお話がはずみ、患者さんの声が弾んでくるのが聞いていて分かります。
施術の終わった患者さんは、とっても朗らかなお顔でお部屋にもどっていかれました。
これまでの被災地での活動と同様、地元の先生のご参加、本当にありがたいことです。


【2019年11月9日】

 

[いわき市水道局]
13:30~15:30


 〈参加者〉
嶺先生(東京都)
浅倉先生(東京都)
君島先生(東京都)
横山先生(東京都)


〈受療者〉
11名


〈詳細〉
未だ血圧の高い方もいるが、みなさん休みも取れていて、落ち着いてきたそうです。
楽になったのでまた受けに来ていただいた方、何度か受けて鍼になれてきたと仰る方、
と継続していることの良さが出ている。
 
[好間中学校武道場]
17:30~19:30


〈参加者〉
日吉先生(福島県)
嶺先生(東京都)
横山先生(東京都)


〈受療者〉
7名


〈詳細〉
ご自分で治療を受け、効果を実感した方が、周囲に受診を勧めてくださっている。
少しずつ住居が決まって、退所される方が出てきた。
インフルエンザの集団接種があったせいか、先週より室内がきれいになっていた。
 
[好間公民館]
17:30~19:30


〈参加者〉
浅倉先生(東京都)
君島先生(東京都)
前之園先生(千葉県)


〈受療者〉
7名


〈詳細〉
高齢者が多く、トイレや洗面所へも介助されて行く方も見受けられた。
夕食時に活動が始まったこともあるが、お部屋にこもっている方も多く、お風呂に行く人も意外に少ない。


【2019年11月4日】

 

快晴の空に紅葉のきれいないわき市です。
本日は、12名のボランティア参加者がおり、3か所に分かれての同時開催でした。

いわき市好間地区での支援も始まりました。
避難所では避難者の方々はもちろん、通常業務に加えての災害対応に追われる運営職員の方も受療してくださいました。
運営する方々が元気になれば、避難所の環境もよりよくなります。

 

[いわき市水道局]
13:30-16:30

 

〈参加者:4名〉
渡邉敏宏先生(福島県)
渡邉先生(福島県)
米田先生(千葉県)
小池先生(神奈川県)

 

〈受療者〉
11名

 

〈詳細〉
・食事が不規則なのか体重が増加した方が多かった。
・はじめは鍼がこわいとおっしゃっていた方も、一度受けると安心してくださった。
・外の修理の仕事は落ち着いてきたが、デスクワークが増えてきてしんどい、とのこと。
・時間外労働まだまだある。この1週間では職場に週2~3回泊まった職員も。
・落ち着いてきたとは言え、安定したわけではない様子。
・災害後、眠る時間をとれるときでも睡眠の質が悪いとの訴えが多い。


[好間中学校武道場]
14:00-16:30

 

〈参加者:4名〉
前之園先生(千葉県)
君島先生(東京都)
横山先生(東京都)
吉本さん(福島県)

 

〈受療者〉
11名(うち2名職員)

 

〈詳細〉
・腰痛を訴える妊婦さんの受療があり、らくになったと非常に喜んでくださった。
・杖をついていた方が杖なしでも歩けるようになった。「鍼を誤解していた」と周囲の方々へ積極的に勧めてくださる。
・「来週もいらしてくださることを楽しみにしています」の声。
・中学生の男の子、ストレスがたまっている状態だった。部活も少なくなり体も動かせず、夜も眠りづらい。緊張を解く場がない印象を受けたと施術者からの報告。


[好間公民館]
14:00-16:30

 

〈参加者:4名〉
日吉先生(福島県)
三部先生(福島県)
村上さん(茨城県)
三輪先生(東京都)

 

〈受療者〉
7名(うち2名職員)

 

〈詳細〉
・日中活動のため外出している方が多く、職員さんへも声掛け。
・隣の人のいびきがうるさくて眠れないという方。
・「ちゃんとした(お家の)ご飯が食べたい。贅沢な悩みだけどねぇ」
・68歳の女性、自宅の片付けから避難所に戻ると93歳の親の介護をして、洗濯も掃除もある。疲れ切っている。
・「3・11の時よりもひどい」と仰る方が多い。「帰れない期間が長い(家に帰れないので)」
・「ペットと離れて暮らすのがつらい」という声も。


【2019年11月3日】

 

11月に入り、朝晩は東北の地らしい寒さを感じます。

 

[いわき市水道局]
13:30~15:30

 

〈参加者:6名〉
橋本先生(福島県)
柏原先生(福島県)
石井先生(神奈川県)
前之園先生(千葉県)
村上さん(茨城県)
小池さん(神奈川県)

 

〈受療者〉
11名

 

〈詳細〉
職員の方々は、少しずつお休みをとれるようになってこられた様子で、休日出勤の方は減っていました。
スムーズな段取りになるように、予約表を作ってくださるなど、ご配慮していただきました。
発災直後より落ち着いたものの、いまだに仕事量が多いことには変わりなく、半数近くの方の血圧は通常より高い状態であったが、以前よりは精神的に余裕が出てこられたようであった。


[内郷コミュニティセンター]
17:30~20:00

 

〈参加者:8名〉
橋本先生(福島県)
柏原先生(福島県)
日吉先生(福島県)
石井先生(神奈川県)
前之園先生(千葉県)
村上さん(茨城県)
吉元さん(福島県)
横山先生(東京都)

〈外部調整:2名〉
三輪先生(東京都)
小池先生(神奈川)

 

〈受療者〉
13名

 

[詳細]
避難者の方々には、発災以前からの持病の悪化を訴える方や、避難生活の疲れを訴える方が多かった。
受療された方が「非常に楽になった」と、周囲に声掛けし新たな患者さんをお連れになるなど、とても喜んでいただいた。
治療ブースの周りで、かわいい男の子がずっと遊びまわっており、我々参加者がいやしてもらえました。


【2019年10月27日】

 

水道局では本日の全面復旧を前に職員の方々の奮闘が続いています。
復旧後もメンテナンス作業が続き、まだ十分には休めない様子。支援を継続して参ります。
もとより「市民の方々を先に」とのことでしたが、災プロの判断で優先して参りました。
水道の復旧のかなった本日より避難所の支援も準備開始です。

 

[いわき市水道局]
13:20-16:00

 

〈参加者:6名〉
渡邉先生 福島県いわき市
柏原先生 福島県いわき市
日吉先生 福島県いわき市
堀先生 東京都渋谷区
小池先生 神奈川県横浜市
三輪先生 東京都調布市

 

〈受療者〉
22名

 

〈詳細〉
これまでの活動で効果を実感してくださった方々の声掛けにより、少し手の空いた職員の方々が次々と受療してくださいました。
ボランティア参加の先生も多くいらして下さり、治療部屋2部屋に分けて、施術者4名、ベッド5台での治療。
全面復旧となってもまだ、徹夜作業の続いている部署もありました。
昨日の治療を受け方が家族から「顔色が良くなった」と言われ、本日も再受診。


[内郷コミュニティセンター避難所]
18:00~19:00

 

〈参加者:4名〉
日吉先生 福島県いわき市
堀先生 東京都渋谷区
小池先生 神奈川県横浜市
三輪先生 東京都調布市

 

〈詳細〉
お昼から夕方までの水道局での活動を終えて、そのまま避難所へ移動しました。
本日より治療開始予定でしたが、視察に留め、次回の予定や案内を掲示させて頂くなど、丁寧な活動を行うための準備に専念しました。


【10月26日】

 

昨夜の豪雨のために3河川が氾濫したいわき市、前回浸水しなかった箇所が新たに浸水するなど被害はありましたが、水道に関しては大きな被害なく、ライフラインの保持の点では安堵しました。

 

[いわき市水道局]
17:00-20:40

 

〈施術者:3名〉
渡邉敏宏先生 福島県いわき市
渡邉宏介先生 福島県いわき市

〈調整員〉
小池先生 神奈川県横浜市

 

〈受療者〉
16名

 

〈詳細〉
ほぼ全員、寝不足を訴えていらっしゃった。
睡眠時間は平均4時間前後、発災後(ここ2週間ほど)いちども家に帰られていない方、職場の椅子の上で寝泊まりして復旧作業に対応されたとのことでした。
渡邉先生は親子でのご参加。息の合った治療で次々と職員の方々を施術していらっしゃいました。


[常磐病院]
18:20~19:20

 

〈施術者:2名〉
日吉先生 福島県いわき市
橋本先生 福島県いわき市

 

〈受療者〉
4名

 

〈詳細〉
病院の建物に昨夜の豪雨の影響を受けた箇所があり、寝ずの対応に疲労の色濃い職員もいらっしゃいました。
医師や看護師の受療があり、みなさん「こんなにらくになるなんて」と驚かれていました。


【10月24日】

 

いわき市内での治療活動が始まりました。
福島県鍼灸師会、福島県鍼灸マッサージ師会の会員の方々のご参加も頂いています。
所属を越えて「ただ被災地のために」。

 

今日の活動場所は2か所。

一つは、市内の水道復旧のために寝る間もなく働き続ける水道局の方々。
ご自身の自宅が被災されている方もいらっしゃいます。
この方々が倒れたら復旧が遅れてしまいます。

もう一つは、市内の常磐病院。
職員の約2割が断水や浸水の被害を受け、病院の仕事を終えて帰宅すると水汲みや片付けに追われる方も。
いのちをまもる仕事に就く方々への支援、市の医療の質の保持に役立てればと思います。

 

[いわき市水道局]
16:30~20:15

 

〈施術者:3名〉
柏原先生 福島県いわき市
橋本先生 福島県いわき市
三瓶先生 福島県白河市

〈調整員〉
畠中先生 北海道釧路市

 

〈受療者〉
20名

 

〈詳細〉
ほとんどの方が鍼を受けるのが初めての現場でした。

鍼に対して恐いイメージをお持ちでしたが施術後は楽になったと帰っていかれました。

1名のみ鍼はちょっと…と仰る方へは、マッサージを提供しました。

少し前まで皆さん睡眠時間が2~3時間。職場泊まりも多く、中にはソファで寝返りもうてなかったたため背中が張ると訴える方もいらっしゃいました。

また、長時間座りっぱなしで事務作業にあたり、肩こりを訴える方も。

疲労の影響か、血圧の高い方もいらっしゃいました。
災プロの活動は鍼灸マッサージの提供にとどまらず、血圧測定など保健活動も行います。

 

局長より以下のご報告を頂きました
「施術を受けた職員からは、身体が大分楽になったなど、即効性が非常に顕著だったようです。このような状況下、現場の職員の健康管理面が心配とされるところ、施術のほか、健康管理にもとても配慮をいただいた内容で、まさに今回のご支援は、私たちにはできないところを、それ以上に望ましい形で行ってくださいました」

 

[常磐病院]
18:00~19:30

 

〈施術者:2名〉
日吉先生 福島県いわき市
前之園先生 千葉県我孫子市

 

〈受療者〉
4名

 

〈詳細〉
被災し断水していた職員はゼロになったと事務長から嬉しいニュースをお聞きしての活動開始。
鍼が初めての方もおられましたが効果を実感し、笑顔で帰っていかれました。


【2019年10月21日】

 

代表の三輪をふくむスタッフ3名が福島県いわき市を訪れました。
ボランティアセンター、4つの避難所、常磐病院などを訪問。

 

常磐病院では、2017年の福島県広野町にある高野病院支援の際にご縁を頂いた、尾崎章彦医師のご紹介により、職員支援を行うことを事務長と協議しました。

10月21日現在で断水の続く地域に住む職員は、通常の病院勤務から帰宅すると水汲みや自宅の片付けに追われ休む間がありません。
職員の健康のためにも、病院が地域へ提供する診療の質を落とさないためにも、鍼灸マッサージによる支援を受け入れたいとお話を頂きました。

さらに、市内の水道復旧のために寝ずに働きながら、医療支援の入っていない水道局職員への支援も決定。
10月24日(木)より始まることとなりました。

 

避難所の環境も確認しました。
10月21日現在では仕切りもダンボールベッドもない状況で支援の必要性を把握しました。

 

地元で「しゅう鍼灸院」を開く柏原修一先生が、ご自身が浸水で車を失いながらも活動への協力を表明してくださいました。