宮城県大郷町-活動報告ー


【2019年12月21日(土):宮城県大郷町】

 

この日は、災プロによる大郷町支援の最終日となりました。

避難所が閉鎖された後に避難者の方々が移られた、仮設住宅での2回目の支援。

仮設住宅にはいると、これまで避難者同士や行政職員から顔の見えていた避難所と違い、引きこもりなどの課題が出てくることがあります。

これに対し、鍼灸マッサージは受療者の健康に関わるだけでなく、イベントとして呼びかけることで人が集まる効果も持ちます。

大郷町の千葉保健師は、住民の方々のために、このような対策まできちんと考えてお声かけしてくださいました。

 

災プロ撤収後の仮設住宅での支援は、これまで共に活動してきた宮城県鍼灸師会が引継いでくださることとなりました。

信頼できる地元の先生方が、少なくとも来春まで支援を行ってくださいます。

たいへんに心強く、また安心して撤収作業を行うことができました。

 

大郷町のみなさまが少しずつでも、立ち止まりつつでも、復興へ向けて前に進んでいかれることを、募金者を含めた災プロに関わる全員が、心から心からお祈りしています。

 

[大郷町仮設住宅談話室]

15:30-17:10

 

〈参加者〉

今野先生(宮城県)

雄鹿先生(宮城県)

賀川先生(宮城県)

阿部先生(宮城県:柔整師)

前之園先生(千葉県)

小池先生(神奈川県)

三輪先生(東京都)

 

〈受療者〉

8名

 

〈詳細〉

最終日でしたが、評判を聞いて新患の方が2名いらっしゃいました。

施術者としてご参加くださった宮城県の賀川先生は、東日本大震災時にご自身が3年間、仮設住宅に住んだ経験をお持ちとのこと。

苦労を知る地元の先生方に後を託すことができることは本当に頼もしく、とてもありがたいことです。


【2019年12月14日(土):宮城県大郷町】

 
住民の皆様が仮設住宅へ移っての初回活動となりました。
仮設団地の中の共有スペースである「談話室」にて治療を行い、我々の活動の後には〈住民総会〉が開かれていました。
避難所活動時よりお受けいただいていた方々が、楽しみに待っていてくださいました。

 

[大郷町総合運動場仮設団地談話室]
15:30-17:30

 

〈参加者〉
阿部先生(宮城県:柔整師)
阿部さん(宮城県:調整員)
前之園先生(千葉県)

 

〈受療者〉
6名

 

〈詳細〉
通常の災プロ活動では、パーテーションなどを利用し、プライバシーを確保して施術を行いますが、お集りの皆さんの雰囲気から、個室を作らず施術しました。
それでも事務机で「見えないパーテーション」を作ると、少しだけ個室感が生まれるのが不思議です。
活動後には、住民の方から千葉保健師へ手作りカレーの差入れがあり、住民と行政職員の信頼関係がしっかりと作られている穏やかな光景に、我々もほんわかした気持ちになりました。


【2019年11月30日(土)宮城県大郷町】

 

12月1日閉鎖に伴い、避難所としての役割を終えるフラップ大郷21。

避難者の皆様は、同じ総合運動場内の仮設団地への引越作業で大忙しなご様子でした。

避難者のほとんどの方が、この仮設住宅へ移るとのことです。

「引越蕎麦を食べたよ」と嬉しい報告もあり、とても暖かい雰囲気の中での活動となりました。

保健師さんより仮設住宅での支援継続の依頼があり、活動場所となる集会所の内部も、視察させていただきました。

同じ宮城県内の南三陸町から参加の阿部先生も、お仕事を終えて駆けつけてくださり、最後の患者さんへの施術、撤収作業と、最後までご協力くださいました。

 

[フラップ大郷21]

16:00-18:30

 

〈参加者〉

松本先生(東京都)

米田先生(千葉県)

阿部先生(宮城県:柔整師)

横山先生(東京都)

前之園先生(千葉県)

 

〈受療者〉

13名

 

〈詳細〉

 

すべて再診の方で、なかには鍼へ対する恐怖感があったが、今回の活動でその心地よさを知れたと喜ばれる方もいらっしゃり、最終日の今日まで丁寧に引き継いできてくださった全国から参加のボランティアや宮城県鍼灸師会の先生方のおかげと改めて実感しました。

皆様、今日は引っ越し作業で、頭も体もフル回転で疲れておられたが、「普段歩かないから、仮設住宅との往復がかえって体にいいかもね」と皆様、一様に嬉しそうであった。

主訴が腰痛などの整形的問題でも、施術中に「冷えを防ぐ方法」などの体調管理のアドバイスがあることが災プロの活動のよいところと、参加者からの声がありました。

こうした参加者の感想や、地元の声を拾いながら、丁寧に活動を続けて参りたいと思います。


【2019年11月24日:宮城県黒川郡大郷町】

 

先週とは打って変わって、雨模様の湿度を含んだ生暖かい空気。
防寒装備で向かいましたが、日中は長袖シャツで過ごせるほどの陽気でした。
宮城県在住の先生方7名と鍼灸学校の学生2名が活動に参加してくださいました。

 

[フラップ大郷21]
16:30~19:00

 

〈参加者〉
青柳さん(宮城県:調整員)
雄鹿先生(宮城県)
賀川先生(宮城県)
今野先生(宮城県)
鈴木さん(宮城県:調整員)
千葉先生(宮城県)
古川先生(宮城県)
村上先生(宮城県)
阿部先生(宮城県)
小池先生(神奈川県)

 

〈受療者〉
22名

 

〈詳細〉
・昨日に引き続き、一家総出で受療される方々も。鍼灸マッサージの効果を実感されているご様子でした。
・鍼は恐いと仰っていた方も、「今日は鍼もお灸もチャレンジしてみたい」と、興味津々で受けにきてくださいました。
・本日は人員にゆとりがあったため、千葉保健師からご提案いただいて、初めての生活スペースを回ってのお声がけ。それなら、と受けてくださる方もいらっしゃいました。

 

・以下、活動に参加された学生の方の感想です。
「今日は貴重な体験をさせて頂きありがとうございました。
施術が出来ないので受付業務でバイタル測定や主訴の確認などを行い、患者様とお話しさせて頂いたのですが、治療の効果が前回あったからと、今回も楽しみにしてくださってる方や、こんなに良いものならもっと早く知っておきたかった? なんて仰る方もいらして、患者様の笑顔を見ていたら私の方が逆に元気をもらいました。
治療を行う先生方はやはり凄いなあと関心しつつ、患者様の不安を取り除き、初めの治療でいかに変化を感じて頂けるのが重要だなと感じました。」
「被災地ボランティアに参加したのは、初めてでした。
最初はどの程度笑顔で接して良いのか不安でしたが、来てくださる患者さんのほうから屈託のない笑顔を見せていただき、安心、感動しました。
まだ、なにもできない学生の身での参加でしたが、なにも出来ない中で自分にできることを考えることを学ばされました。微力ではありますが、次の機会がありましたらもう一度参加させていただきたいです。」

 

※掲載させていただいた画像は、患者さんの掲載許可を頂いています。


【11月23日(日)宮城県大郷町】

 

先週から始まった宮城県大郷町の活動。
この日は東北大学病院(漢方内科)から高山真医師が、広島県からは広島県鍼灸師会の杉原先生が参加してくださいました。

高山医師は東日本大震災時にはご自身の漢方内科チームで、熊本地震ではAMDAで活動されており、漢方薬はもちろん、鍼灸まで自在に操り、数多くの論文も書いていらっしゃる医師です。
杉原先生は昨年の西日本豪雨における災プロの活動において、地元鍼灸師をとりまとめる中心的役割を担ってくださった先生です。
地元の宮城県からは鍼灸師の西羅先生と、先週に引き続き南三陸町で開業されている柔道整復師の阿部先生と、事務を手伝ってくださる阿部さんが参加されました。
東京からのスタッフ2名と共に、大変心強いメンバーで、短時間で20名近い方へ施術が行われました。

 

[フラップ大郷21]
18:30~20:30

 

〈参加者〉
高山先生(宮城県:医師)
西羅先生(宮城県)
阿部先生(宮城県)
阿部さん(宮城県)
杉原先生(広島県)
松村先生(東京都)
浅倉先生(東京都)

 

〈受療者〉
19名

 

〈詳細〉
再診の方が半数以上いらっしゃり、次回の施術の予約をしていかれる方も多く、また、家族単位で受療される方が多い印象です。
受療後「背が伸びた!」「あー楽になった。」と嬉しそうに帰っていかれました。
大郷町の千葉保健師さんが積極的に声掛けをしてくださり、職員の方々も常に受療者さんに寄り添っておられるため、受療される方も私たち参加者もみなさん安心して良い雰囲気の中で活動が出来ました。


【2019年11月17日】

 

宮城県大郷町のボランティアでの活動2日目。

夕方16:30~18:30と前日より活動時間を早めて実施しました。
前日から参加してくださった宮城県鍼灸師会副会長の今野先生の指揮のもと、この日は宮城県鍼灸師会会員の下條先生、赤門鍼灸柔整専門学校講師の古川先生、特に所属のない千葉先生、今野先生の息子さんである今野弘務先生と、地元の先生のみによる活動でした。
昨日の活動が被災者さんの間で評判を呼び、終始忙しかったとのことです。
 
〔フラップ大郷21〕
16:30~18:30


〈参加者〉
今野先生 (宮城県)
下條先生 (宮城県)
今野先生 (宮城県)
古川先生 (宮城県)
千葉先生 (宮城県)

 

〈受領者〉
15名

 

〈詳細〉
初診の方も多く、下條先生一人の受付では対応しきれず、大郷町の千葉保健師さんが手伝ってくださり、何とか対応できました。大変助かりました。
受療者の治療時間が15分位と短くなってしまった事もあり、ゆっくりお話しを聞くことが出来ないことが残念に思える場面も見受けられました。

 

【報告者】
今野正弘 先生

 


【2019年11月16日:宮城県大郷町】

 

行政保健師さんより派遣依頼をいただき、この日より宮城県大郷町での活動が始まりました。
福島県いわき市との並行支援となります。
2011年から始まった災プロの活動、宮城県は原点の地でもあります。
東北大学病院や宮城県鍼灸師会の先生方との協働となります。

 

[フラップおおさと21]
20:50~21:50


 〈参加者〉
今野先生(宮城県)
雄鹿先生(宮城県)
村上先生(宮城県)
阿部先生(宮城県)
小池先生(神奈川県)
浅倉先生(東京都)
阿部さん(宮城県)
三輪先生(東京都)


〈受療者〉
13名


〈詳細〉
大郷町は片付けも一段落した点では落ち着いてきましたが、避難生活も1か月をすぎ、避難者の方々は疲れの出ていらっやる時期です。
鍼灸マッサージを導入しようという保健師さんの判断は的確で、避難者の方々からも非常に歓迎して頂きました。
宮城県鍼灸師会からは3名の先生が参加。
また、災プロが2011年から共にはたらき、これまでの全ての長期活動地にいらしてくださっている、南三陸町の柔道整復師の阿部琢磨先生が参加してくださいました。
ありがたいご縁が続いています。