能登半島 -活動報告ー


【5月3日(金):石川県七尾市】

 

〈場所〉

石川県七尾市

 

〈参加者〉

青木さん(七尾市)

赤坂先生(七尾市)

奥先生(七尾市)

松村先生(東京都)

小池先生(東京都)

三輪先生(東京都)

かずほくん(3才)

 

〈詳細〉

1月末から始まった災プロの現地支援は、本日をもって終了となります。

 

3か月間、実質60日の派遣により、石川県の七尾市、志賀町、穴水町において、900名を超える方へ私たちの手を届けることができました。

 

災プロは現地活動の最終日には治療施術を行いません。

これは施術後のフォローまで責任を持つためであり、「ただ被災地のために」という私たちの原則に則った措置です。

 

その最終日は、七尾市の夜間避難所支援に尽力してくださった地元在住の青木さん、赤坂先生、奥先生をまじえて活動の振り返りを行いました。

赤坂先生と奥先生は、今回の災プロによる能登半島支援にご参加頂いた60名を超える参加者の中で最年長。

50年近く和倉温泉にてマッサージ業を営んできましたが、被災により失業されたことを受けてお声かけしました。

奥先生は全盲で、ご自宅も全壊。赤坂先生のご自宅に身を寄せながらの支援活動。

その赤坂先生のご自宅も、七尾市の中では通水が遅れた地域にあり、支援にご参加頂いた当初は水の確保に苦労しながらの活動でした。

このお二人をサポートしながら受付や記録業務をこなしてくださった青木さんのご自宅の屋根にもブルーシートがかかっており、それぞれが被災者でありながら避難所避難者のために尽力された、素晴らしいチームでした。

 

その施術を通し「よく眠れた」「気持ちが楽になった」という声は日々の報告の中で紹介して参りましたが、血圧や体温の測定といった保健活動も行うことで、発熱患者さんをいち早く見つけ出し避難所における感染症の蔓延を防ぐなど、医療としてもしっかりと機能したと言えます。

 

こちら地元の方々へ支給された謝礼日当は、その全額が災プロに集まった募金から賄われました。

お気持ちを届けてくださった方々へ、あらためて御礼申し上げます。

 

そして、南は沖縄県から北は宮城県まで、今回の活動に無償でご参加くださった全国各地の先生方、何より、それぞれ日常の仕事や子育てをしながら、参加者の安全確保をはじめ、災プロの運営を蔭ながら支えてくださった20名のスタッフに心から感謝申し上げます。

 

災プロによる支援は終了しますが、奥能登をはじめ、まだまだ復旧されていない地域は多く残されています。

 

あらためて犠牲となられた方への哀悼の意をささげるとともに、被災されたお一人お一人に一日でも早く日常が戻ることを、心からお祈りしています。

 


【5月1日(水):石川県穴水町】

 

〈場所〉

穴水町役場本庁舎

 

〈参加者〉

中西先生(滋賀県)

福森先生 (三重県)

河邉先生(神奈川県)

平井先生(神奈川県)

嶺先生 (神奈川県)

 

〈受療者〉

24名

 

〈詳細〉

施術者4名、調整員1名の布陣で臨んだ能登支援最後の施術活動でしたが、多くの方に受療していただき、昼休みは短縮、終了時間も延長。

予約外で「受けられる?」と来られる方も多く、そのほとんどの方は過去2回の活動で鍼灸マッサージを経験済み。

その効果を実感されての再受療だと思います。

 

災プロは「ただ被災地のために」活動をしてきましたが、その中でご自分の身体に意識を向け、つらい時には休み、そのつらさを和らげるのに鍼灸マッサージが一つの選択肢になることを知ってもらえれば、我々が居なくなった後も受療してくれた方々の健康を守ることにつながります。

 

被災地に平穏が訪れるのはまだ先でしょうが、その礎になる方々に癒しの手を届けられたことが、この先の復興につながっていくことを願って止みません。

 


【4月30日(火):石川県志賀町】

 

〈場所〉

志賀町役場本庁舎

 

〈参加者〉

中西先生(滋賀県)

福森先生 (三重県)

河邉先生(神奈川県)

嶺先生 (神奈川県)

 

〈受療者〉

8名

 

〈詳細〉

庁舎に職員の方々は居ますが大変に静かで、施術スペースの前の廊下を歩く人もほとんどいません。

今まで訪れた中で、一番落ち着いた雰囲気が流れていました。

復興へは端緒についたばかりで、まだまだ忙しさはあるでしょうが、その状態が日常として受け入れられつつあることが感じられます。

予約が入っていても来ない方もおられましたが、忘れられているとしたら、それは幸いなことです。

受療された方は少ないながらも、高血圧傾向の方も少なくなり、睡眠障害を訴えられる方はおられませんでした。

 

志賀町最後の活動、新しい日常を少しでも垣間見られたのだとしたら、幸いです。

 


【4月29(月):石川県七尾市】

 

〈場所〉

田鶴浜コミュニティーセンター

 

〈参加者〉

青木さん(七尾市)

奥先生(七尾市)

赤坂先生(七尾市)

 

〈受療者〉

10名

 

〈詳細〉

本日の夜間避難所支援をもって、災プロの七尾市における支援が無事に終了しました。

本日は10名の方が受療。

これまでで最年少の10歳の子と、最年長の92歳の方が受けてくださいました。

 

「みなさんに喜んでいただけてとても良い時間でした」と、調整員の青木さん。

終了予定の21時を過ぎてしまいましたが、先生方は最後のお一人まで一切手を抜くことなく丁寧に施術。

先日の七尾総合市民体育館に続き、こちらでも終了後は避難者の皆さんが労ってくださいました。

自らが被災者でもあった地元七尾市在住の3名による夜間避難所支援は「本当にあっという間の1ヶ月半」。

 

晴れ女を自認する先生方はこれまでの活動で1度しか雨に降られていなかったのですが、今晩は田鶴浜コミセンを出ると、雨。

先生方の送迎も担ってくださっていた青木さんは、いつもは先生方をご自宅の手前で下ろすところ、

「ギリギリまで一緒にいたい気持ちが伝わったんですかねえ」と、今日はご自宅まで送ってくださったとのこと。

 

青木さんと、赤坂先生と、奥先生は、施術による避難者の体調管理や、避難所における感染症の蔓延を未然に防ぐといった医療的な実績はもちろん、避難者の方々から多くの信頼を得てのべ162名もの方々へ安心を届けてくださった、本当に素晴らしいチームでした。


【4月27(土):石川県七尾市】

 

〈場所〉

七尾市民総合体育館避難所

 

〈参加者〉

青木さん(七尾市)

奥先生(七尾市)

赤坂先生(七尾市)

 

〈受療者〉

8名

 

〈詳細〉

七尾総合市民体育館避難所における夜間支援の最終日です。

今日の七尾は気温が高く、先生たちも少し汗ばみながら施術をしてくださいました。

半袖を着てる方もいらっしゃいましたが、冷暖房が効かない体育館での生活が続けば、今度は暑さという大変さが待っているのだろうな、と感じました。

 

みなさん今日が最後だと分かっていらっしゃったので、マッサージが終わると目に涙を溜めてお礼を言ってくださる方もいました。そして皆さんから「先生方もお元気でいてください」と声をかけていただき嬉しかったです。「きっとまた街で出会うこともあるかもしれませんね」という言葉もいただきました。

 

災プロの活動、全国から訪れる先生方は無給のボランティアですが、地元の方々へは、皆様からのご支援として災プロへ集まった募金が、そのままお仕事に対する謝礼として届いています。